チーズはどこへ消えた?

チーズはどこへ消えた?

チーズはどこへ消えた?

  • 作者: スペンサージョンソン,Spencer Johnson,門田美鈴
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2000/11/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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折に触れて思うのだけれど,
本との出会いは,人との出会いによく似ている.
あたかも,神様の意思で巡り会わされたような,
絶妙なタイミングで出会う本がある.
今日読んだこの本も,そんな本の中の一冊に加わった.


短くて単純な物語の中に,
幸せになるためのヒントが巧みにちりばめられていた.


2匹のネズミと2人の小人がチーズを探して迷路をさまよう話.
チーズは,人間社会においてつい重要と誤解してしまう地位や名誉,
安定などのメタファーであり,
迷路は,私達が生きる世の中を表している.


この本が一番伝えたかったポイントは,
「変化に対して,どう反応すれば幸せになれるのか?」
という点だ.
自分の周りで変化が起こったとき,
変化を恐れて過去にしがみつく人と,
変化に取り残されることを恐れて動かずにはいられない人に別れるが,
結果としては,「変化に対応して動いた方が,何もしない方がよっぽど良い」
というお話.


ハンス・セリエの生命とストレス―超分子生物学のための事例の中にあった,

人は,恐怖を感じるから動かないし,走るから恐怖を感じる

という言葉を思い出した.
どっちにしたって恐怖を感じてしまうのだけれど,
やっぱり動いた方が良いんだよなと,納得させてくれるストーリーになっている.
変化に対して恐怖を抱くのは動物としての性.
だから,変化が怖くて動けなくなったら,

もし恐怖がなかったら,何をするだろう?

と問いかけてみよう.
きっと,出てくる答えは,次に自分がすべき行動の本質を,
かなり正確に捉えているだろう.
大切なのは,それを行動に移せるかどうか.
きっと,怖くて足がすくむだろう.
そんなときには,

チーズがないままでいるより,迷路に出て探した方が安全だ

と言い聞かせて進もう.


なぜなら,

「自分の中に作り上げている恐怖の方が,現実よりずっとひどい」

のだから.


半端じゃない重圧に押しつぶされそうになったとき,
この本を読み返したいと思う.
きっと,
「言う程簡単じゃない」
と思うだろうけど,
大切なことを思い出すきっかけにはなるだろうから.


本ってステキだ.